令和8年度税制改正 個人事業者に係る主な項目

令和8年度は個人事業者に係る税制改正が多くあり、特に青色申告制度における最大の特典である青色申告特別控除額の引き上げは重要です。税制改正に対応するために、早めに記帳指導を受けましょう。

1.青色申告特別控除の見直し(令和9年分からの適用です)

 青色申告特別控除の上限額を75万円に引き上げや簡易帳簿で記帳できる方を限定するなどの見直しがおこなわれました。見直し後の概要は次のとおりです。

※1 ◎印は、㋐優良な電子帳簿(訂正削除履歴等)または㋑請求書データ等の自動連携のいずれかに対応する会計ソフトに限定されます。
   ただし、こうした条件を満たしても、申告方法が電子申告ではなく書面提出とした場合は10万円控除になります。
※2 事業所得と不動産所得の両方がある方は、いずれも前々年の収入金額が1,000万円以下でなければいけません。
※3 令和9年分以後は、前々年の収入金額が1,000万円を超えるために複式簿記での記帳を求められる方が簡易帳簿で記帳すると、青色申告特別控除が適用できません。

2.インボイス制度の経過措置の延長

 ①納税額を売上税額の2割とする2割特例(令和8年分まで)は、個人事業者に限って、割合を3割として2年延長されました。令和9年分と10年分の申告で適用できます。
 ②インボイス発行事業者以外の者からの課税仕入れに係る税額控除の経過措置は、控除可能割合が次のとおり見直され、適用期間が延長されました。

3.少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例

 取得価額を40万円(現行:令和8年3月31日までは30万円)未満に引き上げ、令和11年3月31日まで延長されました。なお、適用できる取得価額の年間合計額は300万円で変更ありません。

4.基礎控除額の見直し(個人住民税は改正されません)

 基礎控除の額が次のとおり見直されました(居住者に限ります)。

※合計所得金額2,350万円超の場合は見直しがありません。
※合計所得金額2,350万円以下の非居住者の基礎控除の額は、一律62万円です。
※令和10年分の基礎控除の額は、物価上昇を踏まえて見直しがされる予定です。

5.給与所得控除額の見直し(個人住民税も同様に改正されます)

 給与所得控除の額が次のとおり見直されました。

※給与等の収入金額220万円超の場合は見直しがありません。
 なお、上記の金額は居住者に適用されるものです。
※個人住民税への適用は、令和9年度(令和8年1月1日~12月31日の収入を基に算定)からになります。
※令和10年分の給与所得控除の額は、物価上昇を踏まえて見直しがされる予定です。

6.扶養控除等の所得要件の見直し(個人住民税も改正されます)

 基礎控除の額の見直しにより、扶養控除等の所得要件が見直されました。

※個人住民税への適用は、令和9年度(令和8年1月1日~12月31日の収入を基に算定)からになります。
※ひとり親の生計を一にする子の所得要件は、総所得金額等の合計額です。

7.ひとり親控除の額の引き上げ(令和9年分からの適用です)

 ひとり親控除の額が38万円(現行35万円)に引き上げられました。
※個人住民税では33万円(現行30万円)に引き上げられ、令和10年度(令和9年1月1日~12月31日の収入を基に算定)から適用されます。